今日は「ボールに関わる」についての話です。
ボールに関わると言ってもオフザボールの難しいサッカーの話ではありません。
小学生で練習や試合中に何をしたらいいか分からない、そんな子供達について考えてみました。
ぴょん吉君
ピッチの中で、無意味に
小さくジャンプしている子。
ボールが来たら、来た方向へ蹴り返す子
足元でフェイントをしているが、フェイントをする事が目的の子
団子サッカーの団子にも入らず、周囲を走っている。
団子から出てきたボールが目の前に来てもボールを見ている。
極端な場合は、ゴールの中に入って見ている。
小学校低学年のサッカーの指導者の方ならそんな場面を目にする事があると思います。
なぜそんな事になるのか?
サッカーの原則
「ゴールを奪う」「ボールを奪う」
これに従って、相手のゴールを目指して動けばよい。相手のボールを奪えばよい。
大人には簡単に思えるかもしれませんが、子供達には難しい。
難しい理由は
「攻守の切り替え」があるからだと思います。
何をしていいのか分からない子供達には「攻守の切り替え」が早過ぎて
今、自分が何をするべきなのか?が理解できないのではないでしょうか?
激変した子供
運動能力は低くない、でも試合ではおしゃべりしたり、遊んだりが続いていた子。
「サッカーやろう!」「ほら、走ろう!」「ボール追いかけて」
そんな声かけでは全然変わりませんでした。
ある日、その子と少し話ができる時間があったので「ポケモン」や「妖怪ウォッチ」の話をしていました。
しばらく話すと、話題がサッカーへ変ったのでその子に聞いてみました。
「試合中に何していいのか分からんやろ?楽しくないんじゃない?」
ニコニコしながら「楽しくないよ!」って教えてくれました。
「じゃぁ~せめて、攻撃か守備どっちの方が楽しい?」
「……う~ん、守備じゃね」
その後の試合で
「
守備だけでいいよ。相手が来たら全部止めて前にはじき返せ!それだけでOK」
と伝えて試合に出場してもらいました。
別人でした、指導者のひいき目ではなく。
試合後に子供達が「なんなん?あれ?あいつあんなに
上手いの隠してたん?」
って言うぐらい。
それからは、普段の練習でも積極的に参加できるようになり。
守備だけではなく、攻撃への参加、周りを見るようにまでなり始めました。
「あいつの守備がすごい」チームメイトが認めた事でコミュニケーションも取れはじめています。
「サッカーは攻守の切り替えがあるスポーツ」攻守の切り替えを意識して、トレーニングを考えます。
しかし、その課題は常にいつ攻守が切り替わったのかの判断の繰り返しであり、難しい子も多いはずです。
小学校生で、試合中にボールに関わる事が難しいなと感じる子の場合
「攻撃」「守備」どちらかに的を絞って参加させた方が上手くいきます。
私の印象では「守備」。「ボールを奪う」「点を取らせない」の課題の方が子供達には、分かりやすい印象です。
できない事へのチャレンジも大切ですが、
「できる!分かる!だから楽しい」と思える事から取り組む事も非常に重要ですね。
参考記事
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/autism-spectrum
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/classwake
おすすめの本
イギリスの心理学者リチャード・ワイズマン博士の著書。巷にあふれる自己啓発本の効果を科学的に検証、「褒めて育てる」についても警鐘を鳴らしています。
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