発達障害とサッカー サッカー療育

我がチームは強豪ではありません。強くはないけど、楽しくサッカーするとい気持ちはブレてません! そんな我がチームで個性いっぱいのいろんな子供たちが一生懸命プレーしています。   ・サッカーが好きで好きでしょうがいない、寝ても覚めてもサッカーばっかりの子 ・スローインやフリーキックで迷って、何分もボールを持ったまま離せない子 ・1試合集中してサッカーができない子、90分の練習中に何度か抜けて遊んでしまう子 ・練習が上手くいかないと涙がでて、なかなか泣きやむ事ができない子 ・すぐ友達と喧嘩をしてしまう、ボールをとられた、ぶつかったで怒ってしまう子   試合中に空みて飛行機を探してる、ピッチに砂でお絵かきしてる、ゴールポストにしがみついてなめてる。 サッカーをしている子供たちの中には発達に問題を抱えている子もいますが、みんなと同じ練習をして、試合にも同じように出て頑張ってるのではないでしょうか?   私は医療現場で仕事をしていますが、子供の発達障害については専門外ですのでサッカーを指導する立場から発達障害の子供たちとの関わりや、サッカーをすることで起こる子供の変化についてお話します。

発達障害とは?

発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれます。

生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。

同じ人に、いくつかの発達障害があることも珍しくありません。

そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。

発達障害の図 

自閉症スペクトラム障害とは

広汎性発達障害(PDD)とほぼ同じ群を指しており、自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害が含まれます。

典型的には対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏り(こだわり)の3つの特徴が現れます。

自閉症スペクトラム障害の人は、最近では約100人に1~2人存在すると報告されています。男性は女性より数倍多く、一家族に何人か存在することもあります。

1歳を過ぎた頃からサインが現れます

典型的には1歳台で、人の目を見ることが少ない、指さしをしない、ほかの子どもに関心がない、などの様子がみられます。

保育所や幼稚園に入ると、一人遊びが多く集団行動が苦手など、人との関わり方が独特なことで気づかれることがあります。 言葉を話し始めた時期は遅くなくても、自分の話したいことしか口にせず、会話がつながりにくいことがしばしばあります。

また、自分の好きなことや興味のあることには、毎日何時間でも熱中することがあります。初めてのことや決まっていたことの変更は苦手で、なじむのにかなり時間がかかることがあります。

注意欠如・多動性障害(ADHD)とは

学童期の子どもには3~7%存在し、男性は女性より数倍多いと報告されています。

小学生の多動‐衝動性の症状には、座っていても手足をもじもじする、席を離れる、おとなしく遊ぶことが難しい、じっとしていられずいつも活動する、しゃべりすぎる、順番を待つのが難しい、他人の会話やゲームに割り込む、などがあります。

不注意の症状には

勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びに集中し続けることができない、話しを聞いていないように見える、課題や作業の段取りが下手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、忘れ物や紛失が多い、などがあります。

多動症状は、一般的には成長とともに軽くなる場合が多いです。

不注意や衝動性の症状は半数が青年期まで、さらにその半数は成人期まで続くと報告されています。また、思春期以降になってうつ症状や不安症状を合併する人もいます。

学習障害(LD)とは

全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみがとりわけ難しい状態をいいます。有病率は、確認の方法にもよりますが2~10%と見積もられており、読みの困難については、男性が女性より数倍多いと報告されています。

発達障害については厚生労働省のHPより引用しています。

この記事を読んで、似たような症状があると自分で判断せず、心配な時は医療機関を受診して下さい。

厚生労働省HP:http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html

少年サッカーの現場では

「集まれ~」の掛け声で、すぐ集まれない。

集まっても目が合わず話を聞いてないように見える、手遊びや足元のボールで遊んでしまう。

「3人組!」「2人組!」で毎回1人になってしまう。

練習の途中でサッカーをやめてしまう。

初めての練習メニューは理解が難しく、できないと自信をなくしてやめてしまう。

人のいる方向にボールを蹴ってしまう(お弁当食べてる人の方、小さい子が遊んでいる方)。

いつもボールや水筒を忘れて帰ってしまう。

ぶつかったり、ボールを取られると危険なファールで取り返す、手が出てしまう。

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こんな事があるからすぐその子が問題という訳ではなく、多かれ少なかれ、すべての子供で見られる事です。 忘れ物なんて誰でもするし、他の事考えて話を聞いてないことだってあるし、ぶつかられたら腹も立ちます。 私はサッカーの指導者として子供と接していますので、発達障害なのかどうかを線引きする必要はないですが、悩みを抱えている子供たち程サッカーをして欲しいと思っています。

サッカーをして欲しい理由

①集団行動だから

image 学校や幼稚園とは違う集団行動です。何が大きく違うか? スポーツなので勝ち、負けがあります。みんなで試合に勝つぞ!という共通の明確な目標をもった集団行動です。 みんなで頑張って相手に勝った時の気分は最高です。 集団行動のなかで自分の役割をはたして結果が得られたという体験はとても貴重で、自信になり、自分を認める事ができると思っています。 集団行動が苦手な子には、ストレスになる事もあるかもしれません。 子供たちは残酷な時もあり「お前のミスで負けた」なんて事を言う子もいます。指導者としては注意してみていかないといけない所だとおもいます。

②自己管理できる子になって欲しいから

小学校低学年からでも、一人で試合に行って帰ってきます。 会場では荷物の管理も自分でして、お弁当も、水分補給も、着替えも自分一人でこなします。作業の段取りが悪い、忘れ物が多い子もたくさんいますが試合に行くたびに準備は上手になっていきます。 お母さんがおらんでも自分で出来る!という自信を少しずつつけて欲しいです。

③注意力が必要だから

注意とは一つの事に意識を集める「集中」、同時に2つ以上の事に気を配る「分配」があります。 注意力はトレーニングで変えていく事ができます。 コーチの話を聞く、練習を最後まで頑張る、試合の最後までボールから目を離さないことも練習を繰り返していればだんだん出来るようになってきます。 注意の分配2 パスを受ける選手は、味方の位置・ボールの早さ、相手DFの位置、ゴールの方向いろんな事に注意を向けなくてはいけません。 もしパスを受ける事だけに集中してしまうと、DFをかわす方向にトラップできなかったり、パスを受けたあとすぐにドリブルで相手の正面に向かって行ったり。 DFばかりに気を取られて、パスを取り損ねたりしてしまいます。   動きのなかでの状況判断なので、思考のスピードも必要です。 こんな難しい課題が出来るようになるなら、日常生活の中でいろんな事に気を配って、落ち着いて判断できるようになるんじゃないかな?っていつも思っています。

④身体の接触があるスポーツだから

サッカーではぶつかったり、蹴られたりは当たり前です。 試合の中では、ファールでなければ我慢をしないといけません。 衝動的になって攻撃的になってしまうとその間に、ボールを奪われて失点するなんてこともあります。 どれぐらい押せば相手が倒れてしまうのか、友達を怪我させないように遊ぶためにはぶつかり合いの中で覚えていくことも必要だと思います。

⑤学校以外の仲間を持っていて欲しいから

コミュニケーションが苦手な子は、学校でうまくいってないなんて話もよく聞きます。 サッカーチームの中では元気にみんなとサッカーしている子供でもそんな話を聞くことがあります。 サッカーを通じて知り合って、サッカーというツールでコミュニケーションをとっているからチームでは自然と話ができるのかもしれません。 学校で辛いことがあった時、サッカーのチームに仲間がいれば少しでも気持ちを楽にできるんじゃないかな?って思っています。 学校には行けないけど「サッカーなら行ける」そんな場合もあるかもしれません。

⑥成長が目に見えて感じられるから

サッカーを続けていれば、どんな子でも少しずつ上手くなります。 ボールを蹴ることも難しかった子供がシュートを決めてくれた時は、それはもう親以上に涙を流して喜んでしまいます。 練習を途中で投げだして遊んでいた子が、相手にボールを取られても食らいついて取り返したら涙で褒める言葉が出ないぐらい嬉しいです。 日常生活では成長に気づくことが難しくても、サッカーならできるようになったことがすぐに分かります。 最高に褒めてあげられるチャンスがたくさんある、それが私にとってサッカーを勧める1番の理由だと考えています。     何度も言いますが、私は施設で発達障害のある子供たちとサッカーを通じて触れ合っていますが、 発達障害の専門家ではありません。   私なりのサッカーを勧める理由を自由に書きました。サッカーをしたくないと言っている子に無理やりサッカーをさせる必要なないです。サッカーをしたことによって、うまく出来なくてストレスになることだってあると思います。   でも、発達に悩みがあるお子さんが「サッカーやってみたい」っていってくれたなら挑戦してみてほしいです。   その時は、必ず指導者に発達障害の事を伝えてから始めてください、よい指導者なら発達障害について詳しくなくても、子供たちがサッカーを楽しくできるように見守ってくれます。   その子にあったチーム、良い指導者に出会える事を心から願っています。   「一緒にサッカーやろう」 IMG_2545 参考図書:発達障害の子どもたち (講談社現代新書) 発達障害のいま (講談社現代新書)

参考記事

http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/adhd http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/autism-spectrum http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/jffid http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/post-305   ↓ブログランキングへの投票ボタンです この記事が気に入ったらどれか1つ押してください。応援お願いします。

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発達障害とサッカー サッカー療育” に対して2件のコメントがあります。

  1. 衛藤 貴子 より:

    小学4年の息子ですが、サッカーがしたいと言い出しました。受け入れ場所を探しています。
    ご存じでしたら、教えてください。今は、芦屋ですが、今年中に京都左京区へ引っ越しします。
    よろしくお願いいたします。  

    1. maty3 より:

      個別にお返事させて頂きました。
      ご相談ありがとうございました

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