オスグッドシュラッター病 子供の膝の痛みその原因と対応

 

サッカー選手とオスグッドシュラッター病

サッカーをしている子供たちの足、利き足と軸足のどちらがオスグッド病になりやすいと思いますか?

 

サッカーでは高確率(80%程度)で軸足に発症します。

 

ボールを蹴るのに力を使うから、利き足に発症しやすいように思いますが、ボールを蹴る為に体を支える(踏ん張る)軸足に発症しやすいのです。

 

 

強いボールを蹴る為には軸足の踏み込みが強くないと蹴れません。

しっかりと軸足で踏み込んで、片足で体を支える時には大腿四頭筋に強い力が必要です。

この繰り返しがサッカー選手の軸足にオスグッドシュラッター病を発症させる原因になります。

 

サッカーに限らず、全ての競技で体を支える為に踏ん張る足には大きな負担がかかるのでオスグッド病になる可能性があります。

 

大腿四頭筋だけが原因じゃない

ジャンプ動作の沈み込み、サッカーの踏み込み姿勢に問題があると、太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)が硬く伸びにくくなってきます。

これは姿勢の異常につながり、オスグッド病を引き起こす原因になってしまいます。

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右の図のように踏み込みで体が反って、あごが上がるような姿勢になると、骨盤が後ろに傾きお尻の筋肉やハムストリングスがうまく使えなります。

 

こうなると踏み込みの際に、重心が後ろに移動し体を支える為に大腿四頭筋(※大腿直筋)はより一層の力が必要になります。

 

この動きかたが習慣化されると、徐々に立った姿勢にも変化が起こります

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姿勢が変わる事で、ハムストリングスは縮んだ状態になり硬くなる原因になります。

 

オスグットシュラッター病の子供たちの多くは、太ももの前だけでなく後ろのハムストリングスの柔軟性も低下している子が多いです。

 

足首・股関節がしっかり動くように

オスグッド病は膝のスポーツ障害です。

しかし、膝が悪くなるのは膝以外の関節、足首や股関節の柔軟性がないことが原因に場合もあります。

オスグッド病になる前から足首、膝、股関節の柔軟性の維持・改善には細心の注意を払っておくことが重要です。

 

オスグッドシュラッター病の治療

 

オスグッド病の治療は基本的に保存療法(手術をしないで治す)です。

 

①オスグッド病の膝の痛みは冷やす

骨の突出した、特に痛みの強い場所は炎症が起こっている事があります。Icingが有効です。

押さえて痛みのある場所に処方された湿布を貼る事も有効です。

しかし、これはあくまで痛みに対処するという意味でオスグッド病の原因を治療している事にはなりません。

 

②オスグッド病のストレッチ

ストレッチはとても大切です。オスグッドシュラッター病の根本的な治療は筋肉の柔軟性を高めるそれにつきます。

 

大腿四頭筋のストレッチ

一番右の写真は膝が強く曲がるので、膝の痛みが強くなるようなら積極的には行わず左の2つでしっかり伸ばしましょう。

 

決して正座して、痛みを我慢するような事はしないでください!

 

 

ハムストリングスのストレッチ

最初は膝が曲がってもOK。むしろ、膝を曲げた所から伸ばしていく方が筋肉の真ん中あたりを効率よく伸ばす事ができます。

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ストレッチで最も重要な事

「弱わぁ~く、長ぁ~く」

ストレッチは30秒~1分など、書いてるものによって時間がさまざまです。筋肉は優しく時間をかけて伸ばすことが重要です。

 

テレビを見ながらでもよいので、リラックスして筋肉をゆっくり時間をかけて伸ばしてください。

 

③温熱療法

「押さえて痛みのある場所は冷やす」といいましたが。それ以外の所(太ももの前と後ろ)は温めるのが有効です。

筋肉の柔軟性を高める方法は、「弱く長く伸ばす」と「温める」この2種類が最も効果があると言われています。

 

痛みがある場所を、温めると痛みを強くする可能性があるので注意が必要ですが、足の付け根~太もも周りをホットパックなどで温めるのは有効です。

 

つまり

「太ももは温めて筋肉を柔らかく、痛みのある膝はしっかり冷やす」

これが基本的な考え方です。

 

④ サポーター

オスグッド病のサポーターの原理はすごく簡単です。

太ももの筋肉(大腿四頭筋)が骨に付着するところを、皮膚の上からバンドで圧迫してゆるめる事で骨へかかる負担を減らします。

オスグッドバンド

サポータの役割は骨へかかる負担を少しでも軽減する事です。

サポーターがオスグッドを治してくれる訳ではありません、痛みのある場所の安静をサポートしてくれます。

「サポーターをしている=痛くても運動して大丈夫」という誤解のないように注意してください。

 

詳しくはオスグッドシュラッター サポーターの原理で説明しています。

 

サポーターの種類

サポーターはいろいろなものが各社から販売されています。

ZAMST(ザムスト)JKバンド 371002 ブラック Mサイズ
by カエレバ
 

ソルボDo オスグッド・シュラッターバンド M ブラック

by カエレバ

 

メーカーによって素材の違いは多少ありますが、基本的な構造はどれも大差ないと思います。

 

※サポーターをつけて、痛みを抑えてプレーをし続けると言うのは決しておすすめしません。

サポーターは日常生活で使用して、痛みを軽減し炎症を早く納めるという考え方で使うように私は説明しています。

 

オスグット病で最も重要なのことは予防

オスグッドシュラッター病について長々と書かせて頂きました。

 

■オスグット病は大腿四頭筋が成長過程の骨を引っ張り過ぎる事によって起こる

■オスグット病は第2次成長期の背が一気に伸びる時に起こりやすい

■オスグット病の予防にはハムストリングスの柔軟性も重要

■オスグット病は痛みのある患部を冷やし、柔軟性のない筋肉を温め、しっかりストレッチ

■オスグット病のサポーターをしているからと言って、痛みをこらえて運動をしてはいけない

 

いろいろな注意点がありますが、オスグッドシュラッター病は「使い過ぎ」、「間違った体の使い方」によって起こるスポーツ障害です。

 

柔軟性を維持する自己管理の不足の状態でハードワークを繰り返す事によって起こります。

 

オスグットシュラッター病にとって最も重要な事は

なってからでは遅すぎる、なる前に予防する

これにつきると考えています。

 

特に股関節、足首柔軟性の維持・改善はスポーツを続けて行く上で常に管理しておかなければいけません。

指導者や保護者が日ごろから意識して口が酸っぱくなるほど、注意を促す事で防げる可能性が高くなります。

トレーニングのメニューの中に柔軟性の改善をしっかりと組みこんで行動と口頭指示で子供たちにスポーツ障害予防の意識を植え付けましょう。

 

指導者の役割

子供たちの夢を怪我(スポーツ障害、心の問題)のないように達成させる

事だと私は考えています。

 

日ごろから怪我のないように注意して、1人でも怪我でプレーができなくなる子供を減らせればいいなと心から願っています。

 

 

※痛みがある時は、自分で判断せず必ず病院を受診して下さい

 

 

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【今週のおすすめの本】

タイトルに惹かれて購入しましたが、分かりやすい本でした

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