涼しくなり過ぎ、Maty3です。
今日は「ブラインドサッカー」のお話です。
2004年のアテネ大会からパラリンピックの正式種目となったブラインドサッカーですが、日本はまだ一度も出場した事がありません。
ロンドン大会の予選では、引き分けでも出場が決まるイラン代表との闘いで後半に失点し、あと一歩の所でパラリンピックへの切符を逃してしまいました。
そんなブラサカ日本代表、悲願のパラリンピック出場をかけた戦いが今日から始まります!
見えてるでしょ??
ブラインドサッカーとは視覚障害者のサッカーです。
全盲でも光を感じる事ができる方もいるので、全アイマスクをしてプレーします。
言葉で説明するよりも見た方が早いです。
一度、動画で見てください「見えてるでしょ?」「下から覗いてるでしょ?」って疑います。
https://www.youtube.com/watch?v=cccUOdD-xoo&feature=player_embedded
完ぺきなブラインドでのボールタッチです、子供たちにこれができれば、視野が大きく広がるでしょう。
今日はさっそく、子供たちの視覚を遮ってドリブルの練習をしてみました。
当然、全くできません(ボールに音がないので難しいのですが)、それでも何分か繰り返しただけで、ドリブルの姿勢が変わってきました。
アイマスクと音の出るボール買おうかなぁ?と思ってます。
シュートにもヒントがある
ブラサカ選手のドリブルは足にボールが吸いつくようななめらかなドリブルですが、シュートを見ても少し違うと感じませんか?
晴眼者(眼の見える人)のシュートはしっかりと踏み込む為に、身体から少し離れた所にボールを出して強く蹴ります。
しかし、ブラサカ選手は身体からボールが離れると、コントロールミスをする可能性があるので、足元にあるボールを強く蹴り込んでいます。
ブラサカのゴールは小さく、キーパーは目の見える人が努めます、その条件でゴールを奪う為には「キーパーのタイミングを外す」「キーパーの死角から打つ」事が重要です。
モーションが小さく、ドリブルからシュートまでの時間が短いこの蹴り方だとキーパーは
「いつシュートを打ってくるか分かりにくい」ので見えていても止めるのが難しいです。
この技術が子供たちにも必要です。
ゴール前の混雑した状況から素早くシュートを打つ、シュートのモーションを小さくしてキーパーのタイミングを外す。
チームの決定力不足を改善させてくれそうな、よい例をブラサカから学ぶ事ができました。
ブラサカ日本代表は組織的な動き「ひし形」が素晴らしい
ロンドンパラリンピックの出場を逃したブラサカ日本代表が、トレーニングを積み編み出した戦術が「ひし形の動き」です。
フィールドプレイヤーの4人が声を掛け合い
1-2-1のひし形を作り出します。
声と音だけで判断してひし形を崩さぬようにプレーします。
そうする事で誰かがボールを奪われても次のプレイヤーが素早くカバーできる体制を常に作りだすのです。
簡単に書きましたが、視覚の情報なしで、連携プレーをやってのけるには相当な訓練と仲間同士の信頼が必要だと思います。
子供たちにいつも周りの選手との「バランス」「重心」を意識しろと言っていますが、見えていてもできません。
「ブラインドサッカー」には子供たちに身につけて欲しい要素がたくさん詰め込まれています。
暗闇の中で足を一歩前に出すだけでも恐怖を感じるのに、想像を遥かに超えるプレーを見せるブラサカ選手たちのプレーをぜひ1度は子供たちに見せてあげてください。
「IBSA ブラインドサッカー アジア選手権 2015」開幕
この大会は、リオデジャネイロ・パラリンピック予選となり、上位2カ国が出場権獲得を獲得します。
日程:9月2日(水)~9月7日(月)
会場:国立代々木競技場フットサルコート
参加国数:中国、韓国、イラン、インド、マレーシア、
日本
試合予定
9月2日(水) 午後7:30 KICK OFF 日本代表 VS 中国代表
9月3日(木) 午後7:30 KICK OFF 日本代表 VS イラン代表
9月4日(金) 午後7:30 KICK OFF 日本代表 VS 韓国代表
9月5日(土) 午後5:30 KICK OFF 日本代表 VS インド代表
9月6日(日) 午後7:30 KICK OFF 日本代表 VS マレーシア代表
9月7日(月) 午後5:00 KICK OFF 3位決定戦 午後7:00 KICK OFF 決勝戦
その他の国のスケジュールは「
ブラインドサッカー アジア選手権 2015 全日程」を参照してください。
チケット
日本代表の試合のチケット(当日券)は
メインスタンド(指定席)…大人2,500円 高校生以下2,000円
北・南スタンド(自由席)…大人2,000円 高校生以下1,500円
チケットは
チケットぴあで購入できます。
ブラインドサッカーのチケットが有料でも満席な理由は、彼らのプレーが
人を魅了するプレーだからです。
障害者スポーツのほとんどは企業や団体などからの寄付や支援によって成り立っています。
しかしブラインドサッカー協会の会長 松田氏はこんなに素晴らしい人を引き付ける魅力のあるものをより多くの人に見てもらい、
障害者が自立してスポーツできる新たなビジネスモデルを作ろうと取り組まれています。
私はこんな人間になりたいんですよ、ブラインドサッカーが障害者スポーツの新しい形になる事を願っています。
見れるでしょ?
「IBSA ブラインドサッカー アジア選手権 2015」は
テレビで見る事ができます!
スカパーですが初戦の中国戦は無料放送です。自宅のテレビでBSが見れる方は無料で見る事ができます。
放送時間
日本代表 VS 中国代表
9月2日(水) 後7:10 / 9月3日(木) 後1:00 / 9月7日(月) 深2:00
放送チャンネル:BSスカパー! BS241/Ch.585
ぜひ録画して子供たちと一緒に見てはいかがでしょうか?子供たちの世界が変わるかもしれません。
今日から始まる「IBSA ブラインドサッカー アジア選手権 2015」についてまとめました。
ブラインドサッカーはアイマスクをつければ誰でも体験できます。
子供たちのトレーニングの一環としてチャレンジしても良いと思いますし、ブラサカ選手と一緒に体験して打ちのめされるのも良い経験だと思います。
サッカーはみんなに愛されているスポーツです、
ブラインドサッカーだけでなく、切断者のサッカー「アンプティーサッカー」、知的障害者のある方のサッカー、脳性麻痺の方のサッカーなどハンデを持った方もいろんな形でサッカーを楽しんでいます。
私も施設で発達障害のある子供達とサッカーを通じて触れ合っていますが、それは本当に楽しいです。
「勝つこと」だけがサッカーではない、プロになる、優れた選手になる事だけが目標じゃない
って事を子供たちが
笑顔で教えてくれます。
ブラインドサッカーを通じて、みなさんが障害者のサッカーについて知るきっかけになってくれれば嬉しいです。
参考記事
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/amputee
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/jffid
おすすめの本
風間教の信者になりつつありますが…風間氏はサッカーの天才であって伝える技術も天才的だと思います。この本はサッカーライターの木崎伸也氏が風間八宏氏の言葉をまとめたものですが、天才の見えている世界を共有できるような気になれます。
「個」の力を伸ばしたいと思っている指導者の方は必見です。
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