少年サッカーと暴力 子ども達の厳しい環境は変わらない
今日は自分でも考えのまとまっていない事を書きます。 書けば答えが見つかるかと思って書きます。 先日、参加した指導者講習会の冒頭で暴力についてのお話がありました。 サッカー協会に届けられている暴力に関する報告は年間に70件程あるそうです。 前年と比較しても減っていないという残念な報告です、その残念な報告の後にこんな話がありました。
親子の関係をテーマにした2つの話
① 万引きをした子と親の話
私の父は、あまり私の事をかまってくれない父でした。 私が初めて万引きをした時、私は父に強くほほを叩かれました。 父が私のしたことに対して、真剣に向き合ってくれた事が嬉しくて、それから万引きをする事はなくなりました。 それに対する心理カウンセラーの話 あなたは父親が自分と向き合ってくれた事が嬉しくて、万引きをしなくなったのですね。 叩くという方法以外でも、あなたの事を真剣に考えてくれれば万引きをしなかったかもしれません。② シンナーを吸っていた子と親の話
中学3年の時家出をし、先輩の家にころがりこんで、シンナーを吸っているところに両親が僕を迎えにきた。 腕力の強い父のことだから「絶対殺される」と思ったが、父親は僕の前に立ち、ただ一言 「帰るぞ!」と言った。 ボーっとする頭で、父親の運転する車に乗せられた。 家へ帰るまで一言も発せぬ父親、後の座席でただ、泣くだけの母。その後も父はその事に触れる事はなかったけれど、僕はシンナーをやめる事ができました。 話を完ぺきには覚えてないのですが、大筋はあってると思います。 比較されたのは、暴力があるかないかという所です。 皆さんはこの2つの話を聞いてどう感じますか?率直な意見が聞きたいです。 「他人(自分自身も)を傷つける、人の物を奪う、人をだます」 これらの行為は、厳しく叱る基準として私の心の中にあるのですが間違ってるのかな? と悩みながら聞いていました。 帰りの車でゆっくり考えて落ち着いたのは、どちらの対応がいいかという話ではなく、そこに至るまでの親子のコミュニケーションが不足してたんじゃないのかな?という考えでした。 カッとなって、きつい言葉を言ってしまう事なんて誰にでもあります。 相手がその言葉を暴力と捉えるかどうかは、それまでの関係でしっかりと愛情を伝えてるかどうかだと思います。 その瞬間の暴力や対応について考えても変わらない、そこに至るまでの過程を変えていかなければいつまでたっても暴力はなくならない。
実際の指導現場で思う事
実際の少年サッカーの現場では、子供たちのプレーを否定するコーチングは試合に行けば必ず1度は聞こえてきます。 子供たちが自分の思うように動かない、勝てない、そのイライラを子供たちにぶつけるのは間違いだと思います。 それで言葉が強すぎたり、手が出てしまうのは確かに暴力です。 無くしていかなければいけない指導者の課題だと思います。 その一方で、一生懸命に変わろうとしている指導者の姿もよく見かけます。 「違うだろ!!何やってんの!!んん…でもナイス!!」 そんな苦労がにじみ出たコーチングも聞こえてきます。 これはホントに素晴らしい事だなと思います、子供たちの為に変わろうとしている指導者の努力は必ず子供たちに愛情として伝わってると思います。 子供達とサッカー以外の関わりを多く持つ指導者は暴力が少ないのではないでしょうか? 親子の関わりと同じように、スポーツの指導者もスポーツ以外の関わりが暴力に関係しないかな?と思います。 サッカー以外で関わる時間を多く持ち、子供たちとの会話の中で個性や長所をより深く知り、愛情を持って接していれば、些細なミスに寛容になれるんじゃないかと思っています。公平に勝利を目指す
暴力をテーマにした話の中でこんな言葉がありました。 「公平に、子供たちが楽しく、勝利を目指す」 これがどれほど難しい事か…… 公平な選手起用の公平とはどういう意味なんでしょう? どの子も公平に出場する?運動会で例えると「最後は手を繋いでゴールする」という事なんでしょうか? 公平に技術と努力を評価して、試合に出場するという事なんでしょうか? 出場機会を公平にすれば、チームの練習以外でも自分でサッカーに取り組んでいる子にとっては不公平です。 レギュラーを固定して、出場できない選手が多くいればそれもまた不公平です。 私の考えですが公平に勝利を目指すと言う事は、 指導者が子供たちの為の環境作りに公平に努力をするという事だと考えています。 公式戦に出れない子にも出場機会を得られるように、トレーニングマッチを組んだり、大変だけど2チームに分けて大会に参加したり。 試合の出場時間が公平かどうかではなく、子供たちのサッカーに取り組める環境が公平になるようにする事が一番重要なことなのではないかと思います。 書けば頭の中が整理されるかと思って書いてみましたが、いまいちまとまりのない話になってしまいまいた… 永遠の課題だと思うので、経験とともに考えも変わってくるんだろうなと納得させときます。 その後の講習会は、少年サッカーやプロサッカーの試合分析をしながら説明してくださったりと2時間しっかり学ぶことができました。 こうして考えるきっかけを与えてくれる講習会はやっぱり勉強になります。 「人の話を聞く、そして考える」この繰り返しを続けて、少しでも成長できるように頑張ろうと改めて思いました。参考記事
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風間教の信者になりつつありますが…風間氏はサッカーの天才であって伝える技術も天才的だと思います。この本はサッカーライターの木崎伸也氏が風間八宏氏の言葉をまとめたものですが、天才の見えている世界を共有できるような気になれます。 「個」の力を伸ばしたいと思っている指導者の方は必見です。革命前夜 すべての人をサッカーの天才にする | ||||
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