「アンギラ」です。
アンギラ??ご存じない方も多いと思いますが、カリブ海は西インド諸島
主にロブスターの輸出と、観光を産業にしており、人口は15,000人、日本の島根県隠岐の島町と同じぐらいの人口の国です。
FIFAランキング、日本順位や上位の国は気になっても、最下位に注目することはあまりないと思います。
そんなFIFAランキング下位の国が注目を浴びた事があります。
2002年日韓共同開催で行われたワールドカップの決勝の日に最下位決定戦。
アザー・ファイナル
2002年、その当時FIFAランキング202位のモントセラトと最下位、203位のブータンとの最下位決定戦が、ワールドカップ決勝と同じ日に開催されました.
この戦いを企画したのは、オランダ人映画監督のヨハン・クレイマー氏。
クレイマー氏は自国のオランダのワールドカップ予選敗退とい結果に意気消沈。
しかし、「負ける」という事に興味を持ったクレイマー氏はFIFAランキング最下位を競うサッカーの戦いを実現させたいと考ました。
その親善試合を両国にFAXで打診するところから始まるのが「
アザー・ファイナル」というドキュメンタリー映画です。
映画の内容
モントセラトはカリブ海に浮かぶ小さな島国、火山の噴火で多くの国民と首都を失い、サッカーをする場所も限られるような状態だった。
ブータンはヒマラヤの高地にある人口60万人(当時)の小さな国。サッカーは盛んではなく、経済的にも裕福ではないため、ワールドカップやアジアカップなどは出場を辞退する事が多い国。
そんな2つの国が最下位をかけて戦うのですが、試合の開催までには多くの困難があります。
ブータンのコーチが突然急死してしまったり、モントセラトの選手たちが開催地ブータンまでの移動の途中で感染症に集団感染してしまったり。
準備していた試合の審判がボイコットしたり……
そんな中、試合までの交流会で両国の選手たちは交流を深めていきます。
そして、試合は
体格に勝るモンテセラト、ヒマラヤの高地というホーム有利な環境のブータンとの熱い戦いです。
どちらが勝ったと思いますか?秘密にしておきます。
この映画を最初に知った時は、最下位同士の国を戦わせる見世物のような映画なのでは??と疑ってしまいました。
しかし、両国の代表選手達が交流を深める姿を見て、日本で開催されている国際親善試合とはかなりイメージが異なる、これこそ
親善試合だなと感じました。
スポーツにおいてもちろん勝ち負けは重要。ほんとに重要。
でもスポーツは勝ち負けを競うだけではない、相手との交流を深めたり、多くの事を学ぶ事ができるという事を忘れてはいけないなと思いました。
最後に、この試合の優勝カップは真っ二つに分けられ、ブータン・モントセラトの両国に渡されました。
2つの国のその後
その後、2つの国がどうなったのか気になったので調べてみました。
モントセラトはこの試合の翌年にまた火山の大きな噴火があり大きな被害を受けたそうです。
しかし、最新のFIFAランクは178/209位と上昇しています。
2003年以降は大規模な火山の噴火もないようで、サッカーができる環境が少しづつ整ってきた証拠でしょうか?
ブータンの活躍!
ブータンは2006年に念願のサッカー場が建設され、2008年からは日本人が監督を務めています。
現在は「
最下位請負監督」とも呼ばれる築舘 範男氏が監督を務めています。
築舘監督は名古屋グランパスエイト、清水エスパルスの下部組織の監督を経て、2005年からはグアム代表の監督に就任。
2010年の東アジアサッカー選手権予選大会では、FIFAランキング最下位チームながら予選突破を果す“奇跡”を起こした監督です。
2011年からは東ティモール代表、現在はブータン代表の監督を務めています。
そのブータン代表は、現在行われているロシアワールドカップの予選に参加。
スリランカを連勝で下し、2次予選進出を決めています!
さすがに、2次予選では香港、中国に大差で敗れていますが頑張ってます!
2つの国のFIFAランキングが上がっていたので、嬉しい気分になりました。
参考記事
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/jffid
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/93wcup
おすすめの本
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