少年サッカーの応急処置 指導者、保護者が知っておくべき対応

今日は基本的な外傷への対応についてお話します。 サッカーは身体の接触があるスポーツなのでどうしても怪我がおおくなります。保護者の方には大きな心配です。   怪我を最小限に留める為にも、指導者・保護者ともに怪我をした時の対応は知識として持っておいてください。  

切り傷、擦り傷(大量の出血を伴わない)

流水できれいに洗い、傷口を確認します。 ※必ず水道から流れている水を使いましょう、バケツに溜めた水などは感染の原因になります 6f04ed36f3886b5230367f875b6aa333_s ②出血している部分にガーゼなどをあて、上からテーピングまたは包帯で固定します。 ※傷口をティッシュで押さえると、後から取りにくいです。 ※そのままプレーを続行する可能性もあるので、包帯よりもテーピングがずれにくいです。

鼻血

少年サッカーでは日常茶飯事な鼻血。ほとんどの場合心配することはありませんが、重要な場合もあります。 鼻血のほとんど(90%)はキーゼルバッハ部位(鼻の穴の少し 奥の毛細血管が多く集まった場所)というところから出血します。 軽い衝突やボールがぶつかった場合で出た鼻血は小鼻を上のほうからつまんで圧迫し、軽く下向きになって座って休みましょう。 080773 ティッシュで圧迫する場合は少し長めにして、鼻の少し奥にあるキーゼルバッハ部位を圧迫できるようにしましょう。  

注意が必要な鼻血

頭や顔を強くぶつけた後の出血は頭蓋底骨折(頭蓋骨を支えている底の骨)による出血の可能性があります。 このときの出血は脳脊髄液(脳と脊髄の周りにある水)が一緒に流れて出てきますのでサラサラとした血が大量にでます。 この場合は、鼻に栓ををしないでください、そこから感染を起こすと大変なことになります。 すぐに救急車を呼びましょう。

捻挫 打撲 骨折 肉離れ

これらも接触プレーのあるサッカーでは、頻繁に遭遇します。 プレーが継続できないような場合は、捻挫なのか?打撲なのか?骨折なのか?その判断は医師に任せて応急処置の準備をします。 応急処置の基本はRICE処置(ライス処置)です

RICE処置

Rest(安静) 患部が動かないように副子やテーピングで固定します Ice(冷却) 氷嚢、ドリンクを冷やしていた氷をビニールなどに入れて患部を冷やしましょう15~20分患部の感覚が鈍くなる程度に冷やす、痛みが出てきたらまた冷やす   Complession(圧迫) 患部の腫れを予防するために、患部を圧迫します。 これが一番難しいかもしれません、どのぐらいの強さで、どこを圧迫するかは判断が難しです。巻いてしばらくして痛みが強くならない程度に巻いてください。 巻き方もありますが、基本的には末梢から中心へ(患部の下から心臓に向かって)グルグル巻きでも大丈夫です。 氷を入れたビニール袋を一緒に巻きこんでもいいでしょう。   Elevation(挙上) 患部を心臓よりも高い位置にしましょう。

なぜ?RICE処置が基本なのか??

外見では出血していない怪我も、皮膚の下では出血をしています。 RICE処置の目的は、出血を最小限にして患部の腫れをできるだけ少なくすることです。 出血が多くなると腫れが大きくなり、周辺の組織は腫れにより圧迫を受け二次的障害へと発展します、その為に怪我は完治するのに時間がかかってしまいます。   動かさないで出血を少なくするRest、 血管を縮めて出血を少なくするICE、 圧迫することで出血を押さえて腫れを予防するCompression、 重力で血液の流れを少なくするElevation   すべては患部の出血最小限にとどめ、炎症を素早く納める為です。 このRICE処置は病院に行くまでの処置ではありません、怪我をしてから48時間はこの処置を続けてください!   ※すごく簡単に言うと、怪我した場所が明らかに腫れてるか変形してたら、添え木を包帯でグルグル巻きにして固定する、氷で冷やして寝たまま病院へ行けばOK

搬送時の注意点

プレーの続行が不可能と判断した場合はコーチが速やかにピッチの外へ搬送します。 少年サッカーの場合はおんぶして搬送できる場合がほとんどですが、見た目から明らかに患部が変形している場合は患部を動かさないように複数人で搬送しましょう。 強く頭部を打った、重症の熱中症などでその場で意識を失った選手はプレーを中断させたまま、コーチや保護者の3人以上で頭を高くしないように搬送し、同時に救急車を呼びましょう。     どのような怪我の場合でも応急処置にあたる、指導者や保護者の方は慌てて、興奮してしまいます。 しかし、応急処置の知識を少しでも持っていれば、落ち着いて対処できるので、子供たちの怪我を最小限に納める事ができます。 定期的に頭の中でもし子供が怪我をしたら?というのをシュミレーションしておく事も大切だと思っています。     怪我でサッカーができなくなる子供が少しでも減る事を心から祈っています。  

参考記事

http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/kegaonaosu http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/post-326  

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