今日は「飛び級」についてのお話です。
1学年または2学年飛ばして練習や試合に参加する飛び級。
みなさんのチームにも飛び級をしている子が1、2人チームにいませんか?
普通に考えれば、上手だから年上と練習できて、もっともっと上手くなれるからいいじゃん!ってなるんですが、飛び級を経験している息子をみて思う事を書きたいと思います。
各年代で目標とすること
日本サッカー協会はU8、U10、U12それぞれの年代の指導指針を発行しています。
その内容は、U8とU10では大きな差はないですが、U10とU12の間にはかなりの違いがあります。ページ数だけ見ても63ページと188ページと3倍の差があります。
それだけU10とU12では求められる事が変わってくるという事をまず、理解してください。
U10年代で求められる事
この年代で最も重要な事は、コーディネーションの習得(いろいろな体の使い方)は特に重要で、サッカーにこだわらず、いろいろな動きで体の動かし方を覚える必要があります。
バランスを意識して、ゼロポジション(体が最も動かしやすい位置)を遊びの中で習得し、倒れにくく、怪我をしにくい運動能力を身につけなくてはなりません。
U8年代でボールフィーリングを身につけてきた子供たちは、この年代でボールマスタリ―(ボール扱い)の反復トレーニングを中心に本格的なスキル獲得の段階に入ります。
そのためには、
より多くボールに触れる必要があります。
指導者は4対4でピッチを狭くして行うスモールサイドGameなど、より多くボールに触れる事ができる環境を作る必要があります。
戦術的な面では1vs1の攻防や、相手との駆け引きを学んだりしていく事が重要です。
つまり、On the ballでの動き方をしっかりと学ぶ時期にあたります。
U12年代に求められる事
U10年代までにみにつけた技術を試合で生かせるテクニックに変えていく必要がある時期です。
ボールから目を離して観て、状況を判断することができるようにならなくてはいけません。
そのためにもU10でのボールマスタリ―が基礎となり、両足でボールが自由自在に扱える事が大前提になります。
「判断を伴う技術の習得」がU12年代における一番の課題と言えるでしょう。
飛び級をしている子をみると、「発達が早く体の大きい子」「体は小さいけどもボール扱いの上手い技術にすぐれた子」の2つに分けられるように思います。
(私が見た子がたまたまそうなのかもしれまんが)
発達が早く、体の大きい子は身体的な能力の差でサッカーをしてしまいます。ポンと蹴って走る、ぶつかって止める、強くボールを蹴る。
幼い年代のサッカーだと、これだけで結果がついてきてしまいます。
U10年代で必要とされる、ボールマスタリ―(ボール扱い)が不十分なまま、トレーニングを続けていくと、身体的な差がなくなってきた将来、頭打ちになってしまう事が心配です。
体が小さいけれど、ボールマスタリ―にすぐれた選手では、やはりU12年代との身体的な差が問題になります。
自分よりも30㎝近く身長差のある相手とのぶつかりあい、ピッチの広さも大きくなり身体的な負荷が高くなり過ぎます。大きな怪我につながらないかという事が心配です。
どちらの特徴の子ども達においても、U10年代で忘れてはいけない事は
「
たくさんボールに触れる」と言う事です。
もし、飛び級する事でボールを触る機会が極端に減るような状況では、飛び級を続ける事がデメリットになります。
他にも、U10とU12どちらの試合にも出場できる事で、試合の日程が過密になる事にも注意が必要です。
飛び級してプレーしている子供は、チームの中心選手である事は間違いないですが、特別扱いをして、何をしても許されるような環境を作る事は非常に問題だとも感じています。
もちろん、よりレベルの高い環境でプレーすることで得られる、飛び級のメリットがたくさんある事は理解しています。
しかし、指導者や保護者が
焦って結果を求める事で、良い選手になるチャンスを潰してしまう可能性がある事を理解しておきましょう。
参考記事
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/post-486
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/advice
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/post-486
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