少年サッカーのポジションについては、本やインターネットなどで調べると
いろんなポジションを経験させるのがよいと書かれています。
でも実際はどうでしょう?
トレーニングマッチなどでポジションを変えるチームは見ますが、多くのチームでポジションが固定されているように思います。
それはなぜか?
ポジションを固定する事で、子供たちがそのポジションの役割を理解してチームとしてまとまりが出やすく、結果にも繋がりやすいからだと思います。
確かに、ポジション毎のスペシャリストになることは素晴らしいことです。
しかし、ポジションを固定しないことで得られる、メリットもたくさんあることを知って欲しいと思います。
最後には私がポジションを固定しない理由も書きたいと思います。
両サイドをDFへ FWをDFに
両サイドに配置される選手は足が速い。そんな印象がありますが
体は大きくなくても足が速いからこそ、DFでの活躍が期待できます。
DFの選手は常に相手のFWと対峙することになります。
多くのチームの相手のFWはチームのエースです、スピードもあれば技術力が高い子が向かってきます。
そこで必要なことは、絶対的な体の大きさも重要ですが、スピードと危機感、責任感も必要です。
相手のエースの動きに対応できるスピード、裏を取られた時の戻りのスピード
自分が抜かれたら最後、得点に繋がるという責任感もDFには非常に重要です。
なので、両サイドの足の速い選手をDFでチャレンジさせてみると予想以上の結果を出してくれることもあります。
攻撃的なポジションに配置している子も、相手のDFの動きを知る為にはDFを経験している事は重要です。
やられて嫌な事を知るためにも、点を取れる選手に何度もDFでの出場を経験させています。
左利きを右へ 右利きを左へ
左利きなので左側のポジションへよくあることだと思います。
子ども達も左からの方がボールを蹴りやすいので、左に行きたがる子が多いです。
しかし、サッカーは相手がいてどんな状況でも対応しなくてはいけません
いつも自分の蹴りたい角度からシュートが打てるわけでもない
左利きを右側のポジションに配置すると、中へ切れ込む動きが増える
左からのクロスに合わせやすいなど、左側でプレーしてる時とスタイルを変えてプレーをしてくれます。
利き足と逆のポジションにすると、クロスを上げ難いのですがそれはそれで、違ったプレーをトレーニングする良い機会になると思います。
キーパーをフィールドプレーヤーで
キーパーの選手も積極的にフィールドプレイヤーで起用します。
キーパーにとっても足元の技術は重要なのでという理由もありますが、それ以上にフィールドプレイヤーがキーパーの経験をする事も重要です。
最後方からのGameを観察し考える事は、味方の長所や短所を知り、フィールドでのプレーにも生かされます。
実際に経験した出来事
サイドハーフで出場することの多いフィールドプレーヤーをゴールキーパーにした時の話。
2バックのDFの1人はまだあまり上手くボールを扱えない選手。
そこのミスから抜かれて失点する事が多かった試合。
試合の直後に子供たちは、DFのミスを指摘しました。
「お前が抜かれるから…」そんな感じで
キーパーの子はDFが抜かれたあとの1VS1で点を取られて悔しい思いをしています。
でも、その子はみんなの前で
「サイドの選手の戻りが遅いよ、DFだけの責任じゃない」と一言
後方から見ていて自分ならどうするか?考えながらプレーしていたのでしょう。
私が試合の後に伝えるつもりだった事を代弁して伝えてくれました。
私がポジションを固定しない1番の理由
結局、どこのポジションで出場しても、自分の得意とするポジションで活躍する為になると思っています。
それ以上に、私がポジションをあまり決めない理由は
自分自身に子ども達の
ポジション適性を見抜く力がないと思っているからです。
もっといい目を持った指導者なら、子ども達の能力を見極めて適正なポジションに配置するかもしれない。
しかし、私にはその力がないので子どもたちにいろんなポジションでの出場機会を与え、そこでの動き、そのポジションに対する子どもの興味などを、実際の目で何度も見る事が重要だと思っています。
小学生の時に身長が高くてセンターバックだった子が、中学に入って指導者が変わるとサイドハーフで思いっきり走っている。
キーパーだった子がFWで活躍している、そんな事は当たり前にあることです。
指導者が変われば子どものサッカーも変わります。
チームの事情はあると思いますが、多くの事を経験させることはその後のサッカーの可能性を大きく拡げるためにも必要だと思っています。
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