いつも子供たちを見ていて思うことは「よくこれだけ頑張れるな」
どんな悪条件でも試合が始まれば一生懸命ボールを追いかける子供たちには感心を通り越して「尊敬」することがあります。
日々の練習で筋肉を酷使する選手たち、成長期特有のスポーツ障害にも注意が必要ですが、そのためにも日々のケアが重要です。
今日は普段のトレーニングや試合などの運動後に起こる、筋肉痛(遅発性筋肉痛)についてまとめます。
筋肉痛(遅発性筋肉痛)とは?
遅発性筋痛 (delayed onset muscle soreness: DOMS)とは、皆さんが運動や重労働の後によく経験する筋肉の痛み、いわゆる筋肉痛です。
運動後、12時間~72時間後に痛みが出て、3~10日程度で自然に収まります。
運動中や10日以上経過しても痛みが収まらない場合は筋肉痛ではなく、肉離れ(筋断裂)などの怪我をしいる可能性もあるので間違えないように注意が必要です。
なぜ筋肉痛が起こるのか??
筋肉痛が起きる原因は諸説あり、過去には「乳酸が筋肉に溜まる」という説が有力でしたが、現在では筋肉の微細な損傷、筋肉の細胞に小さな傷ができ痛みを発生するという説がよく使われています。
筋肉に傷ができ、傷ついた細胞を修復する為に白血球がやってきて傷の周囲は腫れて炎症が起こります、炎症がおきると痛みを出す物質が生まれるので痛みがでます。
少し遅れてやってくる理由
打撲や断裂で筋肉が大きく損傷すれば、その瞬間にから痛みがありますが、筋肉痛の場合は小さな細胞レベルでの傷なのでその瞬間には痛みを感じません。
しかし、その傷を修復するために発痛物質がでることで痛みを感じます。
その発痛物質が引き起こす痛みを感じるまでに時間がある為、筋肉痛は運動後少し時間が経ってから痛みを感じます。
遅れて出るのは歳のせいなのか?
これは科学的に根拠のない話だそうです、しかし実体験で経験している方も多いと思います。
加齢とともに痛みが遅れて出てくる理由として考えられるのは、アスリートと普段から運動をしていない人では筋肉にかかる負荷が違うからです。
普段から運動をしている人は筋肉に対して強い負荷をかけることができます、その為筋肉の損傷の程度も大きくなり痛みが早く誘発されやすい
逆に運動をしない人は、力を発揮するするのが上手くできず、運動によっておこる筋肉の傷が小さく、遅れて痛みを感じる可能性があるかもしれません。
科学的に根拠が示された話ではないですが、歳をとっても普段から運動をして力を十分に発揮できる状態であれば、年齢に関係なく筋肉痛は早く起こるようです。
どんな動きで筋肉痛が起きるのか?
重たい荷物を上げ下げを繰り返した、全力疾走したり、筋肉痛が起きるのはもちろん大きな力を発揮した時です。
しかし、特に筋肉痛が起こりやすいと言われているのが下の写真のような「
伸張性収縮」という筋肉の使い方です。
自分の力よりも重いもの持ち上げる、踏ん張りきれないで重りが下がって行く時の腕(上腕二頭筋)の筋肉、筋肉が伸ばされてながら縮もうとしている動きです。
このような筋肉の動きは全力疾走の際の太ももの筋肉や、重い荷物を持ち上げる時のなど運動をしていれば必ず起こるような動きです。
なので、一生懸命体を動かせば筋肉痛はどこかで起きると考えられます。
筋肉痛の特効薬、対処方法は?
筋肉痛がなぜ起こるのか?について簡単に説明してきましたが、次は筋肉痛への対処法を考えてみます。
いきなりですが、筋肉痛に対する絶対的な対処法はありません。
と言っても筋肉痛に対してお手上げでなすすべなし、痛みが治まるまでじっと耐えるしかない!という訳ではありません。
筋肉痛に対して効果があると言われている事を組み合わせて、少しでも早く筋肉痛から解放され、よいコンディションを保つことは重要です。
筋肉痛最大の対処法
筋肉痛の最大の対処方は予防です。
筋肉痛になってからではなく、なる前に筋肉痛が少しでも楽になるように予防するのが重要で、その為には「
ウォーミングアップ」が欠かせません。
ウォーミングアップとはその名の通り「ウォーム」体を暖めるが重要です。
筋肉の温度をしっかりと暖めてから運動をすることで、関節の動く範囲も拡がり運動後に起こる筋肉痛を予防してくれます。
運動前の準備体操として座って静かに行うストレッチ(スタティック)を行うことがあるかもせれませんが、怪我や筋肉痛の予防に対してはあまり有効な方法ではないと言われています。
なので、軽く走るなど体を温めることを優先に考えて準備をしてください。
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ウォーミングアップの効果と効率的な方法
もちろん運動を急激に辞めるのではなく、ゆっくりと終わることも筋肉痛の予防に繋がるのでしっかりとクールダウンすることも必要です
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クールダウンはなぜ必要か?クールダウンの効果
筋肉痛は冷やす?温める?
運動直後の傷がついた筋肉に対しては
「冷やす」ことが有効だと言われています。
筋肉痛になりそうだな?と思ったら、運動の直後から酷使した場所をしっかりと冷やすことで痛みを軽くすることができます。
運動から48時間は基本的にしっかりと冷やして、傷がついてた筋肉の周囲で起こっている炎症を早く抑えるようにしましょう。
筋肉痛(遅発性筋痛)に対しては温めることも有効だと言われています、これは傷のついた筋肉を温めて血流を増やし代謝をよくすることで痛みを改善する効果があると言われています。
運動直後はしっかりと冷やし、運動から2日程経過すれば痛みのある筋肉を温めて筋肉のコンデション改善に努めるようにしましょう。
積極的な回復
筋肉痛は痛みが治まるまでじっと安静にして待っていれば早く治るわけではありません。
筋肉痛を早く回復させるためには、軽く運動することも有効です。
痛みのある場所を無理やり動かすのではなく、ウォーキングなど全身を使った軽めの運動で血液の循環を良くして筋肉のコンディションを整えることで、筋肉痛から早く回復することが期待できます。
筋肉痛に対するマッサージの効果
筋肉痛に対するマッサージは筋肉のコンディションを回復させるよりも、心理面で効果があるという報告が多くみられます
「運動の3時間後にマッサージを実施、筋力は回復しなかったが痛みと腫れが早くひいた」
「運動を6日間続け、片足だけ10分間のマッサージを行ったら、マッサージをした方の足の方が筋力の回復が早かった」
などマッサージが痛みや筋力の回復に効果があるという報告もあり様々です。
傷のついた筋肉を強い力で圧迫すれば、さらに痛みを強くしてしまう可能性もあるので注意が必要ですが、ハードな運動で緊張した筋肉と心をリラックスさせる目的で穏やかにマッサージを行うことを心がけましょう。
筋肉痛を早く回復させる食事・栄養補給
筋肉痛を早く改善させるためには摂取する栄養にも注意が必要です。
筋肉の源、たんぱく質を摂取してその合成に必要な亜鉛も摂取して筋肉を新しく作る事を栄養で助ける必要があります。
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タンパク質を多く含む食材
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亜鉛を多く含む食材
直接的に筋肉痛の痛みを軽減すると言われているのが「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」です。
BCAAは比較的大量に摂取した場合に、タンパク代謝の調節があると考えられており遅発性筋痛の軽減に効果があると言われています。
サプリメントとしても多く販売されています。
まとめ
以上、筋肉痛を早く治すための対処法についてまとめてきました。
遅発性筋痛については未だに解明されていない部分も多く、先にも言いましたが「筋肉痛に対する特効薬はありません」
しかし、筋肉痛に効果があると言われているものを組み合わせて、自分に合った筋肉痛を改善させる方法を見つけてください。
試合でよいパフォーマンスを見せる為には、日ごろから自分の体をしっかりとコンディショニングして試合に合わせて良い状態に持っていかなければなりません。
その為にはたかが筋肉痛と放置せず、積極的に改善できるように心がけましょう。
参考文献
Christophe Hausswirth ナップ 2014-09-15
※医学的情報に関しては精査して記載しておりますが、ご自身の体に関する場合は自分で判断せずに主治医、かかりつけ医などにご相談ください。]]>