心臓震盪(心臓しんとう)とは?スポーツ現場で命を守る為に知っておくべき事
心臓震盪(心臓しんとう)という言葉をご存知ですか? 脳しんとうは聞いたことがあるかもしれませんが、心臓しんとうはあまり耳馴染みがない言葉ではないでしょうか? スポーツの現場で起こる「突然死」の原因の1つに心臓しんとうがあります。 できれば遭遇したくないことですが、万が一子どものスポーツの指導中や遊びの中で心臓しんとうが起こった時に適切な対応ができるように、心臓しんとうに対する知識を学んでおきましょう。
心臓震盪(心臓しんとう)とは?
心臓しんとうは胸に何らかの衝撃を受け、その衝撃で心臓の動きが大きく乱れ(不整脈)そのまま意識を失ってしまいます。 適切な対応がとられなければ、そのまま心臓は停止し「突然死」に至ります。心臓震盪の発生に関わる3つの要素
心臓しんとうは「衝撃が当たる場所」「強さ」「タイミング」の3 つの要素が重なりあった時に起こります。
心臓震盪を引き起こす衝撃を受ける場所
心臓の真上に衝撃を受けると心臓しんとうを起こす可能性があります。 心臓から外れた場所では心臓しんとうは起こりません。
心臓震盪を引き起こす衝撃のタイミング
衝撃を胸に受ければいつでも心臓しんとうが起こる訳ではありません。 心臓が1回動く時に一瞬だけ、心臓しんとうを起こしやすい瞬間があります。
心臓震盪を引き起こす衝撃の強さ
心臓しんとうを引き起こす衝撃の強さは弱くても強すぎても起こらないといわれています。 打撲の傷跡が残らない程度の強さでも「場所」と「タイミング」が悪ければ心臓しんとうを引き起こす可能性があります。 実験の結果では時速64kmの衝撃が最も心臓の圧を高め(心室内圧の上昇)、不整脈を引き起こす強さだと報告されています。 つまり心臓しんとうは 「心臓が1回拍動する0.02秒の一瞬に時速64kmの強さの衝撃を心臓の真上に受ける」 と不整脈を誘発し、心臓しんとうになる可能性が高いと考えられています。子供に多い心臓震盪
心臓しんとうは誰でも心臓に加わる衝撃の「場所」「タイミング」「強さ」の条件が揃えば起こる可能性がありますが 特に子どもは胸の骨(胸郭)が柔らかく心臓へ衝撃を伝えやすいので、小学生、中学生のスポーツ活動中に多く発症すると言われています。 競技別でみると特に野球で心臓しんとうが多いのですが、子どもの投球や打球の速さが時速64km前後であることが多い原因だと考えられています。 しかし、サッカーやバスケットボールでもボールが胸に当たって心臓しんとうを引き起こしたという報告もあり、身体の接触プレーで肘が胸に衝突するなどで心臓しんとうになる可能性も充分に考えられます。フットサルの試合中に起こった心臓震盪
これは2015年5月4日に開催された「F-CHANNEL Pivo! Champions Cup 2015」の試合中に起こった心臓しんとうの事例です。 関東フットサルリーグ所属クラブ・fcmmの田中奨選手は、自陣ゴール前でスライディングでシュートブロックに行ったところ、シュートが心臓に直撃 起き上がって2、3歩歩いたところで前のめりに意識をなくしました。 意識を失った田中選手ですが、チームのスタッフとして帯同していた女性トレーナーの青山さんの迅速で適切な救命活動により田中選手は意識を取り戻す事ができました。 参考:FUTSAL EDGE心臓震盪が起こったら
もし目の前で心臓しんとうが起こったら迅速で適切な救命活動が必要です。 心臓しんとうは前述の通り、心臓に加えられた衝撃により「命に影響する不整脈」が起こっている事が原因です。 その不整脈は「心室細動(しんしつさいどう)」「心室頻拍(しんしつひんぱく)」など心臓が痙攣する異常な細かい動き「細動(さいどう)」が原因です。 その「細動」を取り除く機械が日本語で「除細動器」、耳馴染みのある「AED」です。
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