足首の捻挫から考える スポーツ選手が怪我を治すのに1番難しい事
1番大切で守る事が難しい事は何だと思いますか? 今日はよくある「足首の捻挫」から怪我の治療において何を優先すべきかを検討し、その答えを考えてみましょう。
足首の捻挫とは?
足関節捻挫はスポーツによる急性外傷としては最も頻度が高い障害です。 ジャンプの着地やスライディング、接触プレーなどで足首が内側に曲がり過ぎる事で起こります。 外くるぶしにある「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」という靭帯の損傷です。 [gallery columns="2" link="file" size="medium" ids="1966,1967"]捻挫の程度(重症度)
Ⅰ度 靱帯のわずかな損傷や軽い圧痛があるが、少しひねった程度で2~3日で競技復帰が可能な状態。 Ⅱ度 靱帯の部分断裂で腫れが強く、外くるぶしの周囲を押さえると痛い。歩けるが走れない。競技復帰まで2~3週間かかる。 Ⅲ度 完全な靱帯断裂で腫れがひどく、内出血をしておりくるぶしの周りが紫色になっている。競技復帰まで1~2ヵ月を要します。 [gallery link="file" ids="1968,1969,1970"] つまり、靭帯がつながっているか?いないか?によって重症度が変わります。 靭帯の損傷は検査しなければ分からないので、医療機関を受診しましょう。 現場での応急処置は「怪我をした時の対応」を参考にしてください靭帯が治るのに必要な期間
ここが重要です!靭帯は皮膚や筋肉に比べて治るのに時間がかかります。 皮膚や筋肉の傷はおよそ2週間で修復されるのに対して、断裂した靭帯が元の力を取り戻すのには12週間(およそ3カ月)かかると言われています。 重症な捻挫(完全に靭帯が切れた)では最低でも6週間の固定が必要です。 もちろん、部分的な断裂でも固定は必要です。守らないとどうなるか?
腫れて歩けない間は安静を守ったが、1週間ほどで痛みが引いたので固定せずに動き始めた。 少し痛みが残っているけど、軽く走れるようになったので練習を再開した。 歩いてもまだ痛いけど、大事な大会なので出場した。 いろんな理由で安静を守らずに運動を再開してしまった場合どうなるか? 靭帯が元に戻る事が妨げられ、弱くなる、切れたままになってしまいます。 靭帯は関節が異常な方向に曲がらないように止める為の役割をしているので、しっかりと再生しなかった場合は関節が不安定(グラつき)になってしまいます。