1番大切で守る事が難しい事は何だと思いますか?
今日はよくある「足首の捻挫」から怪我の治療において何を優先すべきかを検討し、その答えを考えてみましょう。
足首の捻挫とは?
足関節捻挫はスポーツによる急性外傷としては
最も頻度が高い障害です。
ジャンプの着地やスライディング、接触プレーなどで足首が内側に曲がり過ぎる事で起こります。
外くるぶしにある「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」という靭帯の損傷です。
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捻挫の程度(重症度)
Ⅰ度
靱帯のわずかな損傷や軽い圧痛があるが、少しひねった程度で2~3日で競技復帰が可能な状態。
Ⅱ度
靱帯の部分断裂で腫れが強く、外くるぶしの周囲を押さえると痛い。歩けるが走れない。競技復帰まで2~3週間かかる。
Ⅲ度
完全な靱帯断裂で腫れがひどく、内出血をしておりくるぶしの周りが紫色になっている。競技復帰まで1~2ヵ月を要します。
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つまり、靭帯がつながっているか?いないか?によって重症度が変わります。
靭帯の損傷は検査しなければ分からないので、医療機関を受診しましょう。
現場での応急処置は
「怪我をした時の対応」を参考にしてください
靭帯が治るのに必要な期間
ここが重要です!靭帯は皮膚や筋肉に比べて治るのに時間がかかります。
皮膚や筋肉の傷はおよそ2週間で修復されるのに対して、
断裂した靭帯が元の力を取り戻すのには12週間(およそ3カ月)かかると言われています。
重症な捻挫(完全に靭帯が切れた)では最低でも6週間の固定が必要です。
もちろん、部分的な断裂でも固定は必要です。
守らないとどうなるか?
腫れて歩けない間は安静を守ったが、1週間ほどで痛みが引いたので固定せずに動き始めた。
少し痛みが残っているけど、軽く走れるようになったので練習を再開した。
歩いてもまだ痛いけど、大事な大会なので出場した。
いろんな理由で安静を守らずに運動を再開してしまった場合どうなるか?
靭帯が元に戻る事が妨げられ、弱くなる、切れたままになってしまいます。
靭帯は関節が異常な方向に曲がらないように止める為の役割をしているので、しっかりと再生しなかった場合は関節が不安定(グラつき)になってしまいます。
痛みがなくなればその時はよいかもしれませんが、グラグラする関節を安定させる為に、他の筋肉が頑張り過ぎて
次の障害を引き起こす可能性もあります。
将来的には関節に部分的な負担が強くなり、関節が変形する可能性もあります。
足首の固定方法
テーピングの巻き方は「足首 テーピング」で検索すればすぐに見つける事ができると思います。
Battlewin★com スポーツテーピング講座
しかし、テーピングは巻き方を知っていても巻くのが難しいです。プロでもテーピングの巻き方には差が出ます。毎回、巻いては剥がすを繰り返すのも大変です。
足首の捻挫の後の固定はサポーターが優れていると思います。個人的にはSIGMAX社のZamstは使いやすいと思います。
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足首の固定用サポーター ZAMST SIGMAX社
怪我を治す為に最も難しい事
足首の捻挫について説明してきました。
サッカーの現場でも足首の捻挫は頻繁にある事なので、しっかりと書いたつもりです。
足首の捻挫から伝えたかった事は
「怪我をした後の安静・固定が守れてない」という事です。
痛みがある、歩き方がおかしい選手が試合に出場している場面をたくさん見ます。審判をしていても、気になってしょうがないです。
なぜ、未来ある小学生が怪我を押してまで出場しないといけないのか?
「子供は出たい」と言います、保護者も「出させてあげたい」、指導者も「勝つために出したい」と思っていたら誰も止められません。
最も重要なのは
保護者がしっかりと判断して、運動を止めると言う事です。
大事な大会だろうが、トレセンだろうが将来の為の
「我慢」です。
「我慢」が難しい事は充分理解しています、だからこそ、
「我慢」が怪我を治す為に最も大切で、難しい事だと私は思っています。
未来ある子供達を守る為にも、怪我からの復帰についてしっかりと考えて対応できるように、一緒に頑張りましょう!
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