学校教員が顧問を務めることが多い、学校の部活動。
その顧問のあり方に教員の先生たちから蓄積された不満の声が上がっています。
先日のYahoo NEWSの記事です。
部活動の顧問を務める中学や高校の教員が、休日返上で働いている現状を変えようと、若手教員らが2万3522人分の署名を集めた。3日、代表の本間大輔さん(34)が文部科学省を訪れ、署名と、教員が顧問をするかどうかを選べるようにすることを求める要望書を提出した。
出典:yahoo news
部活動顧問の過酷な現状
平日の部活動の指導は無給、休日の遠征などは4時間で3000円で交通費は実費。
経験のない競技の指導を任せられる。
などなど、条件だけみればかなりブラックな企業と言っても過言ではありません。
国際調査によると、日本の教員が部活指導に費やす時間は、中学が週7・7時間で調査に参加した国の平均の3倍を上回る。別の調査では、中学の運動部顧問の46%が、担当競技の経験がなかった。
出典:朝日新聞
そもそも、
部活動は正規の教育課程には位置づけられていない。
正規の課程外で、生徒が自主的に取り組むものが部活動、教員は「
ボランティア」でその面倒をみているというのが現在の形式です。
先生方も部活動が仕事上で負担になると思っている方が半数以上いるのが現状です。
外部指導員の活用
部活動に学校教員ではなく外部から指導者を招く学校が増えています。
中学の場合は約3万人の外部指導員が活動しています。
しかし現状では問題も多く役割や責任が明確ではない為、土日の試合で校外への引率はできないなど、積極的な活動ができないのも現状です。
名古屋市の取り組み
名古屋市は、「
部活動指導員」と似た取り組みを2004年から始めています。
名古屋市は04年、指導者のいない部が廃止されないように「顧問派遣事業」を立ち上げました。
「外部顧問」を非常勤職員として雇用、勤務は月20時間が上限で、報酬は月4万8千円。
平日の練習および、土日の試合の引率も可能。
この制度を導入して10年以上経過した現在では、多くの外部顧問が名古屋市内の中学校で活動されているそうです。
外部指導員の質の問題
外部指導者から体罰を受けたという報告もあります。
外部指導員を採用する基準が明確ではなく、学生や元スポーツ選手まで外部指導員は様々です。
子供の指導者として最低限の質を確保する事は重要で現在ではそのシステムが整備されているとはとても言えないのが現状です。
現状では子供は任せられない?
あまりよい言葉ではないですが
「嫌々で部活の顧問をしている先生」か「どこの誰かわからない外部指導員」か?
現在の部活制度だとそんな状況なのかな?
新聞報道などをまとめてみてそんな印象を受けました。
現在でも、部活動を通じて子供に多くの事を伝え熱心に取り組んでいる教員の先生が多くいるのは確かです。
同じく、外部指導員の方々にも優秀な指導者の方がたくさんおられると思います。
部活の指導があるから教育ができない?
新聞報道の中で部活の指導があるから
「不登校の子供をケアできない」
「教材を作ることに時間を割く事ができない」と教員の方々の不満の声が書かれていました。
学校には行けないけど
スポーツの活動には参加できる子はいます。
やったことない競技を自分が学んで、子供たちにいろんな事を伝えてくれる先生もいます。
現在の部活動のあり方はおかしいところがあるかもしれませんが
教員が部活動に関わらないのもおかしいと思います。
学校ではうまく自分を表現できない子供でも、スポーツなら表現できる子はたくさんいます。
教員が部活動との関わりを一切なくしてしまえば、その子は認めてもらえない学校には通えなくなる可能性だってあるかもしれません。
部活動は負担だと訴えている先生たちが部活動の制度が変ると
「部活動は私たち関係ないですから」とお役所対応になるんじゃないか?心配です。
今後は外部指導員を含めて、部活動を通じて子供が輝けるように
教員と指導者の連携が重要になると思います。
地域スポーツクラブとの連携
少子化の現在、学校の部活動は地域へと広がっていく必要がある時代だと思います。
学校の枠を飛び越えて集まった子供たちが、スポーツを通じて交流し成長できる環境が作れたらいいなと思います。
しかし、学校とは部活動よりも遠い存在の地域スポーツクラブ。
地域スポーツクラブが学校教育と連携がとれるシステムがあれば、外部指導員や教員の激務の問題ももっと簡単に解決できるのかもしれません。
教員の負担軽減、部活動の質の向上、スポーツ指導で活躍できる雇用の確保など、現在の部活動のあり方を見直すチャンスが来ました。
この機会に子供たちのスポーツする環境を「子供たちにとってよい環境」になるように、大人のしがらみは取っ払って考えて欲しいと思っています。
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