コーチの役割 コーチの歴史から考える

コーチ理念 JFA 出典:日本サッカー協会 サッカーのすそ野で活動する、指導者の質の向上、指導の方向性を統一しようという活動です。 公認C級指導者のライセンスを取得して、指導方針を学んでコーチと呼ばれるようになってみて、改めてコーチってなに?ふと根本的な疑問を感じました。 サッカーを教える人?サッカーは未経験だし、サッカーを通じて人との関わりとかを学んで欲しいと思ってるけど、それでもコーチでいいの?  

コーチの語源

コーチ=馬車 コーチの語源は馬車からきていると言われています。?????意味が分かりませんよね 790a0000f4567d72fd2732cbee240197_s コーチという言葉は1500年代(日本では戦国時代)から使われていたようです。 ハンガリーの小さな町 Kocs(コチ)に由来している。 この町でサスペンション付きの4輪馬車が世界で初めて製造され、その乗り心地はヨーロッパ中に知れ渡り、馬車のことを「コーチ」と呼ぶようになりました。 現在でもイギリスでは長距離バスのことをCoachと呼んでいます。 サスペンション付きの4輪馬車は大事な物を運ぶ手段で使われ始め、“コーチ” という言葉が後に 「大事な人や物を目的地に運ぶ」 といった意味を含むようになったという事です。 余談ですが、バッグのブランドのCOACHには馬車のロゴが使われています。 特定の人物に対して、コーチと呼ぶようになったのは1600年代の頃、名門オックスフォード大学の受験生につく家庭教師の事をティーチャーではなくコーチと呼ぶようになったそうです。 その数年後、オックスフォード大学のボート部の指導者をコーチと呼ぶようになります。これが、現代のコーチにあたる「競技の指導者」という意味のはじまりです。 そして、現在では 「大切な人たちが目指す目標を安全、確実に達成させる」為の行為をコーチングと呼んでいます。 つまり、少年サッカーの指導者でいうと、 「子供たちの夢を怪我(スポーツ障害、心の問題)のないように達成させる」 という事になると思います。   語源を調べてみて、私にはサッカーの経験はありませんが、幸い理学療法士としての15年の経験があります。子供たちを怪我(身体の怪我)のないようにという所はプロとしてコーチできると思いました。 では、サッカーの経験がなくて、医学の知識もない人はコーチになってはいけないのか?? そんなはずはありません!子供たちが悩んでいるときに話を聞く(傾聴)ことは誰にでもできます。話を聞いて、一番困っていることを子供たち自身に気づかせてあげる。そして、問題を解決するための提案はできます。それこそコーチにとって最も重要なコーチングのSkillです。 問題を解決するための提案が的確に出来るようになる為に、指導者としてサッカーを学び続ける事ができていればコーチと呼ばれる資格が十分にあると思います! 200px-Morocco_vs_Gabon,_Roger_Lemerre,_March_28_2009 出典:wikipedia

「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」

ロジェ・ルメール(前:フランス代表監督)

コーチングの歴史と現在のコーチング

命令服従型

コーチングで最も歴史が古いのが「命令服従型」です。 「○○しておけ!」「○○はするな!」選手は指示に対して「はい!」と従う事しか許されません。 ○○する理由、してはいけない理由は説明されません。 「命令に従わない奴は試合に出さない」など脅しを加えて従わせるのを「暴力型」「恐怖型」とも言います。 命令服従型のコーチングのベースにはコーチ本人の個人的な経験が影響しています。 「自分が子供の時はこうして練習してきた、お前達も同じようにやれ!」 コーチが活躍していた時代には通用する練習や指導方法かもしれませんが、時代を超えて万人に通用する訳がないです。選手1人1人に合わせた指導が必要であり、サッカーの変化・子供たちの変化に合わせて指導は時代とともに変化する必要があるべきです。 この命令服従型の指導方針が少年サッカーに与える1番大きな問題は 幼少期にこの指導方針に慣れてしまうと、命令がないと行動できなくなることです。自分から主体的に考えて行動を起こす事が難しくなってしまいます。 未来へ続く、少年サッカーでは主体性、自分で考えることは非常に重要ですので大きな問題です。 つい最近でも、大会の会場で試合に負けた後に選手の頭を叩いて「もうお前らに何を言っても無駄じゃ!」と言って帰っていった監督を見ました。子供達がその場にしばらく泣きながら座っているのをみて、心から憤りをかんじました。いまだに小学生のチームでもこれが残ってるとうい事が残念です・・  

ミッション型と提案型

1970年代に入るとコーチのスタイルに変化がはじまります。 ミッション型は「走り込みやれ!」から「前の試合で後半走れなくなってたから、走り込みやろう」という形で練習の理由が開示されます。 この形だと練習の意味が説明されているので、子供達は主体性をもって練習に取り組めます。 ただ、理由は説明されますが子供達からの質問は許されておらず、コーチ→子供への1方通行です。 提案型は選手との対話があります。 「後半で走り負けしないようにする為には、長い距離を走る方法と短いダッシュを繰り返す方法がある。コーチは短いダッシュを繰り返す方法がいいかな?と思うけどどっちの練習がいいかな?」※例え話です。子供たちに走り込みさせた事はないです という形で、子供たちが自分達で決めた練習だと思うと、高いモチベーションでトレーニングトレーニングができます。

気付かせ型

提案型が進化して生まれた「気付かせ型」これが現在のところ最新のコーチングだとされています。 試合の中でドリブル突破を試みたがボールを奪われる事が頻繁にあった選手に対して 「ドリブルじゃないだろ!」「周りを見ろ!」最悪なのは「次、ドリブル突破失敗したら試合に出さないよ」と命令服従型(恐怖型)ならこんなコーチングになるでしょう。 IMG_2612 これが、気付かせ型になると試合が終わったあと、または次の練習で 同じような場面を再現して、この状況でドリブル突破が1番の選択かな?他に選択はあるかな?落ち着いているのですぐにフリーの選手を見つけて「パスがあります」と答えてくれるでしょう。「じゃあ、なんで試合中になるとパスの選択肢がなくなるんかな?」「周りをみてないからです」 「なるほど!そうよな、ドリブル突破に行った事が問題じゃないよな、君はドリブル上手だし。つまり、ボールをもらう前に周りをみとったか?ボールを止めてから周りをみとったか?そこを変える必要があるよな? よし!続けよう他の子も、今の事を意識して!」 こんな感じでしょうか?その子の得意なプレーを否定しません、ドリブルで突破できるならそれは大きな武器ですから。ポジティブな提案をして、子供たちに気づいてもらう事ができれば、本人も納得して練習に取り組んでくれます。 気付かせ型のコーチングでは忍耐力が必要です。子供たちが気づいてくれるまで待つことここが一番難しいと思います   ながながとコーチについて語りました。コーチは子供たちを自分の意のままに操縦しようとするのではありません。子供たちが気づいて、主体的に取り組めるように時間がかかってもその時間に寄り添う、聞くという事が最も大切だと考えています。

参考文献

一流の指導力 日米プロ野球で実践した「潜在力」の引き出し方 (ソフトバンク新書)
お父さんだからできる子どもの心のコーチング (PHP文庫)
菅原 裕子 PHP研究所 2012-06-04 売り上げランキング : 11041
by ヨメレバ
少年サッカー ブログランキングへ にほんブログ村 サッカーブログ 少年サッカーへ にほんブログ村]]>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です