場面緘黙症 家では話すけどチームでは話さない子への対応

9c3d38edf4c80601469456ef5f5d41ec_s 子供達と接していると、発達の違いを言葉で感じる事がよくあります。   「何となく幼い子と話しているようなイメージがする」 たくさんの子供たちと関わってきた経験のある指導者なら、言葉の発達段階などを理解していなくても感覚的に感じるのではないでしょうか?   子供たちの言葉の発達の差は、場に応じた言葉が使えない、説明が理解できないなどいろんな場面で感じる事があると思います。 指導者が言葉に関して「あれ?」と感じている子供たちは、積極的に指導者と話をしてくれているから気づくのかもしれません。   しかし、チームの中には言葉をほとんど発してくれない子もいませんか?  

内弁慶

チームの中で大人しい、あまり喋らない子は何人かいると思います。 チームに来たばかりでまだ打ちとけていない、同級生が少なくて話し相手が少ないなど、言葉が少ないのにもいろんな理由があると思います。   大人しい子のお母さんやお父さんたちに聞くと 「家ではうるさいんですけどね…引っ込み思案で・・・」 そんな感じで家とチームでの差を伝えてくれるかもしれません。   内弁慶、引っ込み思案な「あまり話をしない子」   サッカーのプレーも消極的な場合が多い印象がありますが、なぜでしょう?  

場面緘黙症とは?

緘黙症(mutism)とは、発声器官に器質的障害がなく、言語の習得にも問題がないにもかかわらず、特定の場面で継続的に発語ができない状態のことを言います。 読み方は「かんもくしょう」です。 家では話ができるにもかかわらず、学校に行くと一日中全くあるいはほとんど話ができず、 しかもそうした状態が何ヶ月や何年といった長期間続くといった例が典型です。 出典:場面緘黙journal
場面緘黙の症状が強い場合は トイレに行ったり、給食を食べられなかったり言葉だけでなく、行動ににも影響が出る場合があるそうです。  

なぜ特定の場面言葉がでないのか?

特定の場面で長期間にわたり言葉が出ないのはなぜなんでしょう?   詳細な原因はまだ研究段階で分からない事も多いそうですが、言葉を発する事ができない理由には「不安」が影響していると考えられています。   話をすること自体に不安が強いというよりは 自分が話す事を人に聞かれたり、見られたりする事に対する不安で話せないという場合が多いそうです。   話をしなくなると、話をする事でより注目を集めるようになり不安が強くなる、話をしなければ不安にはならない。 そんな循環が生まれ、緘黙が定着してしまう事があります。   「人前で自分の力を発揮する事を抑えてしまう」そんな習慣が身についているのかもしれません。    

ダイヤの原石が目の前にいるという事

6902a70ec4d1ee56822af1065b16188e_s   「自分の力を発揮する事を抑えている」 という事はその子にはもっとすごい力を秘めているという事ですよね。 指導者としてはその力引き出してあげたいと思うでしょう。   でも、「君の能力はもっと高い、もっと思い切って自分を出してみろ!」それでは、逆にプレッシャーを感じより力を発揮できなくなるかもしれません。   リラックスした環境では話ができる、でもチームの中では話ができない、チームでの行動にまだ不安があるからです。  

不安を解消するよりは不安を強くしない事

「大丈夫だ話せ!」と言われても、子供たちはわざと話しをしない訳ではないんです。 話したくても言葉が出ない、子供たちはなぜ自分が話せないのかも理解できていないこともあります。   特に10歳~中学生卒業まではこの話せない症状を改善するのは難しいそうです。   話す事を強要しない、話さない事を否定しない環境で不安を強くしないようにしましょう。   しかし、話をしないでも快適に過ごせる環境ではより緘黙が強化される可能性もあるので、本人主導のスモールステップを繰り返す。  

リラックスできる環境で話す、言葉以外の手段も併用する。

私が実践している方法で根拠がある訳ではないですが 「こんにちわ」の挨拶に身振りを付け加える「手を上げる」「握手をする」 周囲に人のいない環境で話しかける。 車での送迎を小さな単位にして友達と話す機会をつくる。   環境を作り、本人の小さな勇気の繰り返しで、話をしてくれるようになってくれる子もいます。 話ができるようになると、自然とプレーにも積極性が見れるようになってきます。   言葉と体で同じように自分を表現できるようになるのでしょう。        ]]>

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