どんな小さな集団でも人が集まれば中心になる人がいる。
各々が独立した専門家でそれぞれが自立して動いていたとしても、それをまとめる中心的な存在がいる。
子供達をみていると集団をよい方向へ導いていく核になる子がいると、指導者の力が及ばなくても子供たちがどんどんと力をつけて行くのがよく分かります。
それぞれの年代で違う特徴
いくつもの小学校のスクールで指導していると、場所によって雰囲気が違います。
指導者が同じでも子供たちの雰囲気は自然と変わってくる。
さらに、同じスクールでも学年によって雰囲気が違う。
雰囲気ってなに?と聞かれると正確には伝え難いんですが、サッカーを一所懸命楽しむことができる集団が自然と出来上がってることがあります。
そんな集団の中にいる子供たちは、指導者が助けなくてもどんどんと力をつけてくれます。
核になる子?
集団の力を引き出す子の共通点は「
サッカーが好き」だと言うことです。
練習の時間より早く来てボールを蹴る。
サッカーがない時は小学校で誰とでもサッカーをして遊ぶ。
練習の時は少しでも上手になろうと練習時間を通して一生懸命プレーします。
そんな子のもう1つの特徴は「誰かに同じようにやれと強要しない」ことです。
自分が一所懸命サッカーすることを楽しんでいます。
「ちゃんとやれ!」「お前もやれ!」という言葉はあまり使いません。
自分が一所懸命にプレーすることで周りの子供達を自然と自分の世界に引き込んでいきます。
気がつけばその子の周りには、同じようにサッカーを楽しむ集団ができていて切磋琢磨するようになっています。
約束をしなくても学校に行けば一緒にサッカーする仲間がいる。
練習に早くきても自然と仲間は同じ時間に集まってくる。
そうして、自分で自分の居心地のよい環境を上手く作ることができるのです。
こんな小さな時間の積み重ねが、その集団の技術を高め、より面白くさせていく
こうして正の螺旋に乗って、その集団の全員が良い方向へと進んでいきます。
負の螺旋
もちろんその逆に負の螺旋に引き込んでしまう子がいるのも事実です。
どーしても練習に集中することが難しい子、サッカー以外の遊びをしてしまう
その遊びに同じように引き込まれる子
自分からはしんどいことに積極的になれない子
その数が多くなれば、集団は簡単にそちらへ引き込まれます。
この正の螺旋の力が強いか?負の螺旋の力が強いか?
それが雰囲気の違いなんだと思います。
負の力は巨大
この関係を考えれば、指導者の役割は負の螺旋を断ち切ることが重要だと考えてしまいそうになります。
しかし、負の螺旋は簡単に切れるものではありません。
むしろ正の螺旋の力を大きくして巻き込んで行く方が簡単で、チームの雰囲気も良い方向に作りやすい。
早く来る子達の練習前の遊びのサッカーに付き合う、そんな簡単なことだけでもこの力は高めていくことができると思います。
子供たち同士でお互いを高め合える環境が作れるようにサポートすることも指導者の重要な役割なのかな?
最近はそんな事を考えながら子供たちをみています。
参考情報(過去記事)
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/huzakeruko
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/post-3101
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