読書の秋です、少年サッカー関連本の書評を書きたいと思います。
雨を利用して珍しく1日で読み終わりました。
間違いだらけの少年サッカー
「
間違いだらけの少年サッカー 残念な指導者と親が未来を潰す 」 作:林 壮一
ノンフィクションライターの林 壮一氏が世界中のサッカー育成現場を取材して書かれた1冊です。
冒頭、ジュニア年代の現場が抱える問題
我が子を優先するお父さんコーチや、怒鳴りまくる部活の先生、作者の指導者であった何もしない部活の先生、クレーマーの保護者など
一部の行き過ぎた人が起す問題を取り上げて日本の少年サッカーはダメだと否定するところから始まります。
作者のいうダメな指導者はおそらく、世界中のどの国にもいると思う。
私もその1人
指導者の質の向上は重要な課題だと思いますが
お父さんコーチも部活の指導者も、ボランティアや働きに見合わないような僅かな報酬で日本のサッカーを支えてきた人たち
その全てを否定せずに、感謝の気持ちも必要だと思いますが・・・
世界の育成環境
日本の少年サッカーの育成環境の比較対象として
本田圭祐のサッカースクールやACミランの少年育成、日本国内の有名クラブなどを取材し、選手育成についての考えが細かく書かれています。
綿密な取材によって書かれた内容は、詳細で非常に価値のあるもので読んでいて勉強になりました。
個人的には3人の息子をJリーガーに育て上げた、元プロ野球選手の高木豊氏の話が興味深かった。
しかし、最終的にそれらと比較して日本の少年サッカーの何を変える必要があるのか?という答えは私にはみつけられませんでした。
最後は日本で人気の野球、国技の相撲の育成環境がサッカーの育成環境に与えた影響について
世界規模で観るとメジャーなスポーツではないので、日本独自の教練法がまかり通ってきてサッカーにまで影響していると簡単に触れています。
メジャーなスポーツでなくても、世界で1番になった野球や他のスポーツの指導方法を全面的に否定する事は私は受け入れられません。
子供たちの指導でも何かを否定して、その逆を褒めたたえるのは簡単。
良くない所があるなりに、個性を伸ばすのが難しい。
以上、
白と黒をはっきりと強調しているのが印象的な本だと感じました。
いろんな意味で、少年サッカーの指導者なら考えるきっかけをくれる一冊だと思います。
Kindle版もあるのですぐに読めます、お時間のある時にどうぞ。
林 壮一氏の著書「
アメリカ下層教育現場」も読んでみました、これも面白かったですよ。
参考記事
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/post-3202
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/ikujibook
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