アンプティーサッカー体験記のPart2です。
今回はいつも私と一緒に活動している小学生たちが体験です。
中学生とどんな違いがあるのか?と楽しみに参加させて頂きました。
まずはリスペクト
今回参加したのは4~6年生の選手24人、指導者・保護者も入れて総勢35人の大所帯でお邪魔しました。
バスの中では遠足気分で大声で叫ぶ子供たち、しかし私がこの日の交流会の目的と「手足の切断について」話をすると
「ん?今日はいつもと違う?」と感じたのか、真剣なまなざしになってくれました。
会場に到着、
雨男の私の力は及ばず快晴です!
自然が豊かな環境にある専用のグラウンドは晴れるとホントに気持ちいい!
まずは講義からStart、前回の中学生の時とは講義の内容を小学生向けに少し変えて
リスペクト精神の話から、障害者サッカーについて易しく分かりやすく教えて頂きました。
前に進めない子供たち
講義が終わると、さっそく体験です。
各自が杖を手に取り動き始めますが、子供たちはなかなか杖をうまく使えません。10m進むのに1分ぐらいかかる子もいます。
そしてもちろん、
ブッこける子も杖を使わず歩きだす子もたくさん…
選手たちからボールの蹴り方や走り方の説明を受けても、小学生には歩くのがやっとでした。
トレーニングマッチ ①
子供たちはまともに歩けない、そんな状況ですが杖を使った試合に挑戦です。
アンプティーサッカーの選手7人 VS 小学生12人(ボール2個)
歩くのがやっとの小学生に選手たちも気を使って、うまくプレーできるように配慮してくれますが、なかなかボールをゴールまで運べません。
なんとかゴール前まで運んでも、シュートは「コロコロコロ……」
そんなうまくできない状況でも、子供たちは
初めてのアンプティーサッカーを一生懸命、すごく楽しそうにプレーしてくれました。
トレーニングマッチ ②
後半は杖なしの子供たちとのガチンコ勝負です。
前回の中学生の時と同様に、子供達には
「全力で点を取って来い!」と気合を入れて向かわせます。
しかし、試合が始まってすぐに感じたのは
アンプティーの選手のみなさんが、小さな小学生を怪我させないようにと遠慮してプレーしている事。
「どこまでやっていいのか?」「
自分達のサッカーもしなければいけない」という2つの気持ちの狭間で選手たちも少し困惑した雰囲気でプレーされていました。
試合は小さくて、素早く動く小学生のペースで進みます。
1点、2点と失点が重なり、選手たちからはうまく流れていかない自分達のサッカー
にいらだちを感じているのが伝わりました。
純粋な子供の姿
困惑するアンプティー選手たちとは逆に、子供たちに
壁は全くありません。
相手は同じサッカー選手、
僕たちは大人と真剣勝負をして勝つんだという気持ち、
杖があるか、片足か、片手かなんて気にしてません。
子供たちはいつもの自分のサッカーをしていました。
強くなる為に必ず通る道
アンプティーサッカーの選手のみなさんの姿が、
私自身と重なりました。
子供たちに「楽しくサッカーをしてもらう事」それを1番にしていたつもり、今もそう思っています。
だけど、「強いチームに育てたい」「勝ちたい」「勝たせてやりたい」という思いが時々、楽しさを奪っているのも事実。
仲良く楽しいサッカーから一生懸命頑張って勝利する楽しさに、切り替わっていく途中で誰もが必ず通る道だと思います。
自分の目指すサッカーと他の選手が目指すサッカーにすれ違いや、違和感を感じる。
ついつい、うまく伝わらない事で感情的になってしまう、怒っても伝わらないのは分かっているのに。
サッカー以外でも、集団で強くなろうとする時には必ずと言っていいほど同じような事が起こります。
それを乗り越えて、少しづつ全員の目指すサッカーが1つになるんだと思います。
私の勝手な想像かもしれませんが、アンプティーの選手たちに私を投影してみていました。
追加の10分
試合の後、小学生たちは用意して頂いた「そうめん」をご馳走になりました。
外で食べるそうめんは格別に美味しかったです。
招待して頂いたのに、ご馳走までして頂いて……
この間もアンプティーの選手たちは、食事に手をつけることなく
選手たちが集まって自分達のサッカーを振り返ってました。
しばらくすると
選手の方が1人、私に「もう10分だけやらせて下さい」とお願いしてくれました。
私の気持ちを伝えるチャンスです。
「OKです。もう10分やりましょう、
ただ1つだけ条件があります」
「笑顔でやりましょう、楽しいサッカーを子供たちに見せてください」と私からお願いしました。
招待して頂いて、ご馳走にまでなって試合に条件をつける。
図々しいにもほどがありますが、みなさん快く了解してくれました。
トレーニングマッチ③
アンプティー選手7人 VS 指導者・保護者7人(杖なし)
10分1本勝負の開始です。
全力で走りました、遠慮したくない。杖を使っている人にスライディングでボールを奪いに行く大人なんていないと思います。
2人の選手に囲まれて、両手を使ってファールも取られました。
正気か?こいつ?と思われてもいい、私の全力のプレーを見て全員が
笑ってくれればいいと思ってやりました。
最終的に私は、全力で走りまわって
笑えないぐらい気分が悪くなりましたが
最後にみなさんと「一所懸命で楽しいサッカー」ができて、子供たちにもその姿を見せれたので大満足でした。
作文
アンプティーの選手たちが子供たちの目にどう映ったのか、長男の作文の最後の一言で理解できました。
足がなくなっても「サッカー」ができる。
楽しくて、カッコいいから僕も足がなくなったら、そこへ行ってサッカーするよ。
純粋です。
大人になるにつれてできて行く壁を取り払ったら、こんな風に言えるんだなと感心しました。
中学生、小学生と体験させて頂き、子供たちだけでなく指導者、保護者すべての人に良い経験をしてもらう事ができました。
大きな壁を乗り越えて来た選手の皆さんの強さ、サッカーに対する情熱、強くなる為の苦悩
そして「サッカーは楽しい」という事。
それ以外にも、たくさんの事を学ばせて頂きました。
これからの未来で、ハンデを背負うことになった人たちが
「輝ける場所」
その場所を選手のみなさんが切り開いているんだと思います。
大変な事がたくさんあると思いますが頑張ってください。
微力ですがみなさんの活動を伝える事でサポートし続けて行きたいと思います。
参考記事
アンプティーサッカー体験記 中学生編です
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/ampty-junior-youth
知的障害者サッカーに関する記事です
http://kimamana.sakura.ne.jp/WP/jffid
【おすすめの本】
]]>